建造物の解体前に必要なアスベスト検査

by:

アスベスト住宅関連検査

アスベストは「石綿」とも呼ばれる天然の鉱物繊維です。耐熱性が高く丈夫でなおかつ安価であったためかつては建材や断熱材など様々な工業製品に用いられてきました。しかし、発がん性があることが判明したため現在では製造や使用が禁止されています。アスベストには複数の種類が存在し、「蛇紋石族」と「角閃石族」に大別することが可能です。

日本においては蛇紋石族の白石綿(クリソタイル)及び角閃石族の茶石綿(アモサイト)、青石綿(クロシドライト)が主に使われてきました。この3種の中でも最も発がん性が高いのが青石綿です。飛散したアスベストの繊維を長年吸い込み続けることにより、肺線維症(じん肺)や悪性中皮腫といった疾患が生じる恐れがあります。潜伏期間は肺線維症が15~20年、悪性中皮腫が20~50年と言われており、仕事を辞めた後しばらく経ってから発症することもあり得ます。

使用禁止になる以前に建てられた建築物を解体したり改修する場合には、作業中にアスベストが飛散してしまわないように事前に検査を行う必要があります。建築年代などによりある程度の推定はできますが、専門家に検査を依頼した方が確実性は高いです。検査を行っている民間企業は複数存在します。偏光顕微鏡法やX線回折法を用いてアスベストが含有されていないかどうかが調べられています。

偏光顕微鏡法は鉱物の光学的性質に着目した方法で、欧米においても主流となっている検査方法です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です